Casa Pancho







Casa Pancho
その夜3軒目のドアを開けた頃には、夜のいい時間になっていた。
チャーミングなホテルフロントが勧めてくれた店のひとつ、このバルがなんともよかった。
料理が美味しくて、店員が陽気で、客が溢れていて、とにかく活気があって。

ピンチョス。
小さなポーションでいろいろなチョイスがあって、独り旅でもアレやコレやと愉しめる。
しかし、まぁ、全体的に、味が濃くて塩っぱい。
バルなんだし、お酒を飲ませるためのツマミなわけだから、それはそれで理にかなってる。
美味しいんだけど、とにかくお酒が進む、すすむ。
短時間で酔っ払いの出来上がり。
効率がイイといえばいいのか?

外にでると、少し肌寒くて、雨に濡れたタングステン色の古い町並みはキレイだった。

次の夜、このバルの前を通りがかったとき、スタッフが手を振って手招きする。そのフレンドリィな笑顔に2晩続けてこの店で食事することになった。
いい店だった、な。

Peter Luger Steak House

Peter Luger Stake House
このお店のステーキを食べたのは何年ぶりだろう?

ランチの時間を過ぎた中途半端な時間。
それでもウエイティング・バーには沢山の人達。。。
昼と夜の間のそんな時間になったのは、単純にその時間にしか予約がとれなかったから。

まずはピーター・ルーガー・オリジナルブランドのドラフトビールで乾杯。
このお店の看板、ドライエイジド・プライム・ビーフのステーキをミディアム・レアで3人前。
フレンチ・フライド・ポテト、オニオン・リング、そしてクリームド・スペナッチをサイドに。

ステーキが焼き上がるまでにブレット&バターがサーヴされるけど、グッと我慢。
やがて運ばれてきたミディアム・レアのステーキ。
ウエイターが有無を言わさずに取りわけてくる。
オリジナルソースもあるけど、ステーキから溢れた肉汁をかけて食べるだけで充分に美味しい。
それでも、短調な味ではあるので、後半はオリジナルソースを添えてちょっと変化をつけるのもイイ。

食後の口直しにコーヒーを、そしてデザートにルーガーズ・スペシャル “ホーリィ・カウ” ホット・ファッジ・サンデーを。。。
それほど美味しいというモノではないけれど、まぁ、冗談みたないなものだし、これもお約束。

すべての食事を終えたテーブルに、ウエイターがポケットから無造作にじゃららじゃらと置いてくれたコインをモチーフにしたオリジナル・チョコレート。
お土産として持って帰った。

現代的に洗練された料理でも雰囲気でもないけれど、昔のアメリカ、ニューヨークのスタイルを今でも味わえるお店。
着飾る必要もなく、気軽な雰囲気で伝統的なニクニクしい肉を喰らう。。。

これぞザ・アメリカン。

それぞれに趣向を凝らしたステーキハウスが乱立しているここ最近のマンハッタン、わざわざブルックリンまで、しかもちょっと行きにくいロケイションではあるけれど、そういうのも含めてタマにはいいかも。

ご馳走さまでした。
また何年か後に食べにいこう。