Canon EF 12-24mm F4L USM and SIGMA 14mm F1.8 DG HSM.

 

 

 

 

Canon EOSシリーズ用のスーパー・ワイドアングル・レンズ。
方やCanon最新のズーム・タイプ、もう一方はサードパーティ・レンズの雄、SIGMA最新のシングル・フォーカル・タイプ。
2タイプのスーパー・ワイドアングル・レンズ。
個人的な興味とレファレンスのために同条件でテストしてみた。
それぞれのレンズ・キャラクターの狙い通り?といっていいのか、想像通り、それなりに違いがあった。
本来較べるべきではないタイプのレンズなんだから、当然違いはアル。
まぁ、どっちもどっち、完璧なんてあるわけナイ。

次の撮影にどっちを使うか・・・目的地までの移動、彼の地での撮影スタイル、ハンドリング、そして何よりも撮影コンセプト、それぞれのキャラクターの違いを考えても、どちらをチョイスするか判断に迷う。
いっそ両方持って行けばイイのかも知れないけど、いろいろな制限があるわけで、なんでも全部ってワケにはいかないしね。
なにしろ   “世界の果て” までいくのだから。

the air cold boxer.

ボクサー・・・といっても、ボクシングのハナシではなく。

レシプロエンジンを使う世界では、水平対向形式のエンジンのことを “ボクサー・エンジン” とよびます。
で、水平対向エンジンといえば、ポルシェ、もしくはスバルのことをイメージするのがこの業界です、現存するエンジンからすれば。
水平対向6気筒のポルシェ・911、水平対向4気筒のスバル・レガシィ。
それぞれキャラクターの立ったクルマ造りをしているように感じるし、タレントがあるようにみえる。

意外かもしれないけど、BMWにもボクサーエンジンを搭載したモデルがある。
2気筒だけど・・・

ちなみに、ホンダにも6気筒のがあるんだが。。。

水平対向エンジン、しかも空冷となれば、それは20世紀の後半でついえたポルシェ911の伝統だろうか。

しかし、21世紀のいまでも、BMWには空冷ボクサーエンジンがを搭載したモデルがある。
二輪だけどね・・・

その噂が世界に拡散したのは、2010年頃だっただろうか、ボクサーエンジンが水冷化される、と。

やがてその噂は現実となり、2013年に水冷化されたボクサーエンジンを搭載した “R1200GS ”がリリースされた。
そして2014年秋、ドイツ、ケルンで開催されたインターモトにおいて、水冷化されたボクサーエンジンを搭載した“R1200R”がアナウンスされた。
年が明けて、2015年3月6日、水冷化されたボクサーエンジンを搭載した “R1200R”のデリバリィが始まったらしい。

これにて、空冷ボクサーエンジンの歴史に幕がおりた、チーン。。

正確にいえば、 “R nine T” という空冷ボクサーエンジン搭載のモデルがあるけど、これはBMW空冷ボクサーエンジンの90周年を記念してリリースされたスペシャルモデルで、連綿と紡がれてきたRシリーズの他のモデルとはちょっと毛色が異なっていて、記念モデルと称してはいても、BMW Motorradの新しいチャレンジといったニュアンスが込められたモデルなので、ココでは除外することにする。
いずれにしても、レギュラーモデルではないし、90周年記念モデルといった体なので、そのうちなくなるでしょう、きっと。

だがしかし、2017年現在、予想に反して、R nine Tシリーズは基本骨格を共通にしたまま、スクランブラーやら、レーサーやら、アーバンやら、ピュアやら、Heritageシリーズとして、完全にひとつのカテゴリィとして独立した存在になってる。。。
ソレって・・・

伝統の空冷ボクサーエンジンが廃止された理由としてはイロイロあるのだろうけど、決定的なのは、2016年からヨーロッパで施行される “EURO4” 規格によるものなんだろう。
つまり、新しい環境基準に空冷エンジンでは基準をクリアできなくなった、そういうこと。
もちろん、性能を落とせば、空冷エンジンでも新しい基準をクリアすることもできるんだろうけど。。
現に、ホンダやドウカティ、モトグッチなどが同時期にリリースした空冷エンジン搭載モデルは、スペックを相当妥協したエンジンになっている。
もちろん、パワーやトルクだけが、そのオートバイの性能ではないのは理解しているつもり。
でも、そのスペック・ダウンを “味” や “ノスタルジィ” といった曖昧な表現で、さも最新ですって飾ってるスタンスには、ちょっと首を傾げたくなる、ただの偏見なんだろうけど。

BMW Motorradはスペック・ダウンして、空冷ボクサーエンジンを延命させようとはしなかった。だから新たに水冷エンジンを開発したわけだし、事実パワーやトルクといったスペックを大幅に向上させた水冷ボクサーエンジンを搭載したRシリーズをリリースしてきたわけだ。
BMW Motorradのそのスタンスには大いに共感するし、新しい時代のボクサーエンジン搭載モデルにも、その将来にもワクワクしてる。

だが、しかし、僕が乗りたかったのは、 “空冷ボクサー” を搭載した“R1200R”だった。

“空冷ボクサー” の“R1200R” が生産中止になったという情報を僕が得たのは、クルマの点検時に訪れたディーラーのごく近くにある、同じ系列のBMW Motorradディーラーだった。
それは夏のはじめ頃のハナシ。

しかし、その時にはそのディーラーには “R1200R”の在庫はなかった。
通常、BMW Motorradでは、いままであったモデルが生産終了になる場合、ドイツ本国のBMW Motorradから日本のディストリビューターであるBMW Motorrad Japanに予め連絡あって、日本として欲しい台数を最後にドイツに発注できる仕組みになっているらしい。
しかし、この“R1200R” に限っては生産中止の連絡がドイツから突然きて、最後の発注リクエストもできなかったらしい。
そして気がついたときには、BMW Motorrad Japanには “R1200R” の在庫はもうなかった。
つまり、あとはBMW Motorrad の日本の各ディラーが店頭在庫だけになっていた。
情報をいろいろ漁って日本にある新車の “R1200R” は3台、ないし4台だった。
東京のディーラーには在庫はなかった。
これを逃すと、空冷ボクサーエンジンを新車で手に入れることは二度とできないんだなぁ、たぶん。。。

そんな2014年、夏もおわりの頃、僕は新車の “R1200R” を手に入れた。

BMWのオートバイに乗る日がくることなんて、ナイと思ってた。
いつか、ドウカティやビモータ、モトグッチには乗るかもとは思ったけれど。。。
BMWとハーレィに乗ることなんて、一生ナイ、そなんふうにぼんやりと感じていた。
オートバイに乗りはじめたコゾーだったころだ。
その頃の僕は、BMWのオートバイって “ダサイ” と思っていたし、小金持ちのオッサンが好むオートバイだと決めつけていた。
まぁ、若さ故のある種の偏見ではあるけど、レーサーレプリカ全盛の時代にオートバイに乗りはじめたコゾーにとって、BMWのオートバイって、その見た目や雰囲気が、ただただオッサンくさいだけだった。

それはとどのつまり、小金持ちのオッサンになったってことか、オレが?

ジーザス・・・

ともあれ、ようやく、やっと、新しい翼を手に入れた!

Ford Mustang

旅の相棒、フォード・マスタング。
(6th generation)GT Premium  Fastbackというグレードのモデルだった、たぶん。。

3.7リッターのV6自然吸気エンジンから、300hp/380Nのパワー&トルクを発生させる。
アメリカン・マッスルカーの一角を占めるクルマとししては、それほど驚くようなスペックではないけれど、もっとパワーが欲しければ、5.0L / V8エンジン搭載のモデルもあるし、昨今のエコ指向に振った2.3L / 4気筒ターボ・エンジンのモデルもある。

ドイツ車の同じようなカテゴリーのクルマにはV6やV8のNAエンジンはもはや皆無だし、V6のNAエンジンで、この排気量あたりのFRクーペといえば、パッと思い浮かぶところでは、レクサスのRC350くらいか。。
そのレクサスRC350は、ジャーマン・スリーのDセグメントをターゲットにしているようで、マスタングと競合する気はあまりナイみたい。

そういう意味で、このマスタングというクルマ、シボレーのカマロやダッジのチャレンジャーあたりと競合するだけで、海外のライバルのことは考えてないらしい。
というより、そのサイズやスペックから考えて、アメリカ国内向けのドメスティック・カーという意味合いが強いか。

そんなドメスティック・カーでしかないのに、子供の頃からこのクルマの存在は知っているし、だからこそ、このクルマを旅の相棒に選んだわけだし、つまり異国の旅人にこのクルマを借りさせようというだけのブランド・ヴァリューがあるということがスゴいところなんだろう。

実際走らせてみると、エンジンのレスポンスが少しダルなフィーリング。
このあたり、いかにも大排気量のNAエンジンのクルマを走らせている感があって、一般的になんとなく想像しているアメリカ車の印象を裏切るモノではない。
ただアクセラレーターを踏めば、その分だけキチンとトルクが盛り上がるし、NAエンジンならではの気持ちいいフィールを味わえる。
しかし、走らせる前にイメージしていたほどの迫力はナイ。そこはやはり3.7リッターというエンジンのキャパシティなり。
おそらく5.0L / V8エンジンのモデルに乗れば、いかにもなアメリカン・フィーリングを体験できるのかもしれない。
逆にこのクルマのデザインは気に入ってるけれど、ガス・マイレッジが・・という層には、2.3L / 4気筒エコブースト・エンジンのモデルを選べるようになっている。
そう考えれば、この3.7L / v6モデルというのは、両方のイイとこ取り、バランス・モデルというところか。
まぁ、うまくセグメンテイションされている、といっていいのだろう。

全体的には、決してノンビリしているというほどではないけれど、だからといって乗り手を急かすキャラクターではない。
もちろんそれには、エンジンだけではなく、シャーシそのもののセッティングもあるのだろうし、いまどき6速ATだったり、18インチのホイールにあまり扁平率の高くない(235/50R)のグッドイヤー製のタイヤだったり、とそのパッケージによるのだろう。

ハイウエイやバックカントリーをトータル1300kmほどこのクルマを走らせてみて、あぁ、これもアリだなと思う。
クルマに急かされることもなく、それでいて、その気になればマッシヴに加速していくこともできる。

細かなところでは、Apple CarPlayに対応していたり、メーターの照明やアンビエントライトのカラーを変更できたり、ステアリングモードとドライブ・モードが変更できたり(なんとレーストラック設定もある!)、リバースギアに連動したリア・ヴューカメラが装備されていたり、12スピーカシステムの音響がけっこうより良かったり、メートル&リットル / マイル&ガロンの表示切り替えができたり。

何よりもありがたかったのは、クルーズ・コントロール(アダプティヴではないのがなんとも・・・)が装備されていたこと。
それこそ、クルーズ・コントロールに関してはその昔、日本で友人が乗っていたホンダのアコード・エアロデッキにこの機能が装備されていて、スキーにいくのに夜中その友人と交代でクルマを走らせていたとき、日本の交通事情(高速道路含む)でこんな装備必要?使えん、と思ったのが最初。

それからしばらくの後アメリカに来て、オレゴン州ユージーンからルイジアナ州ニューオリンズまで、当時のシェア・メイトと交代しながら一週間ほどクルマを走らせたとき、退屈なハイウエイをひたすら距離を稼ぐシチュエーションで、このクルーズ・コントロールのありがたみが身にしみた。

そして歳月が流れ、東京で乗っていたドイツ車に装備されていたアダプティヴ・クルーズ・コントロールを当たり前に使うようになって、東京〜大阪間を一気に走るようなシチュエイションでは有用な装備だと思うに至る。
まぁ、もう少ししたら、高速道路に関してはほとんどオート・パイロットがスタンダードになるんだとは思うけど。

あと、シート・ベンチレーター機能付きのレザーシート。
これも良かった。
東京の夏、友人が所有するメルセデス・ベンツ・Eクラスに乗ったとき、レザー・シート・ベンチレーターの快適さを知った。
今回のケンタッキー州からテネーシ州への旅でも、東京の真夏と変わらないか、それ以上の気温と湿度。
つまり非常に蒸し暑い状況において、ルームエアコンに加えて、このシート・ベンチレーターがあることにでシートに密着している身体にもあまり汗をかくこともなく、わりと快適に長距離を走ることができた。

アメリカで、しかもハイウエイとバック・カントリー・ロードを組み合わせてそれなりに距離を走るようなシチュエーションだと、このマスタングというチョイスも充分アリだなと思う。
もう少し燃費(オンボード表示で10.8km/Lだった)が良ければいいかな、とは思うけど、途中何時間にも及ぶ大渋滞もあったりしたし、スペックを考えたらそれほど悪い数字でもない、か。

ドイツのプレミアムブランドのクーペとは異なったフィーリングに、また何かの機会に走らせてみたいクルマの一台になった。

しかし、こうなると、俄然シボレー・コルベットに乗ってみたい。
次のフル・モデルチェンジでミドシップ・レイアウトになって、ヨーロッピアン・スーパー・カーと同じカテゴリーになるらしいので、なおさらそう思う。