a wine paradise.








サン=テミリオン。
あっちもこっちも、どこもかしこも美しく整備されてる。
そんな小さなワインの村をブラブラと気の向くまま散策。

いいお天気。
馬を使って畑を耕してるらしき女性達にしばし魅入る。

何してんの?
ぼぉーっと眺めてる僕、笑顔をくれた女性に声をかける。

畑を耕してんのよ。
なんで馬?
ココでは、一切の機械を使わずに葡萄を育ててるからよ。
へー、なかなかオモシロそうだね、はじめてみたよこういうの。
そうなの?まぁでも、それなりにタイヘンなものなのよ。

なかなか言うことを聞かない馬たちに手を焼きながら、朗らかに笑う彼女達になんとなく違うフランスをみたような気がした。

美しい小さな村。
ワイン好きの人なら一週間いても飽きないんじゃないだろうか。
どこかへ旅すると、その土地のワインを必ず持ちかえってくる友人のことを想う。
彼女のようなヒトには、きっとパラダイスのようなところなんだろうな、ココ。

R.I.P.



砧公園の南側にある駐車場にクルマを駐め、公園の中を通り、北側にある美術館へ、のんびり歩いてく。
静かに降る細い雨、吐く息が白く舞う冷たい空気、人影ほとんどない公園。

「奈良原一高のスペイン ー約束の旅」
世田谷美術館の企画展。

ウィークデイの午後、美術館をゆっくりと観てまわる。
パンプローナ、グラナダ、マラガなどスペインを中心とした氏がヨーロッパに滞在していた時期に撮った写真展。
そこは、僕が生まれる以前のスペインだった。

雨の午後、美術館を後に、ふたたび公園を歩く。
人影まばらに彩度をなくした風景、動くものはなにもない。
近くにある東名高速道路のノイズをディフューズするように雨が降っていた。

R.I.P.
この企画展の会期中に亡くなられた、奈良原一高氏のご冥福を祈ろう。

Saint-Émilion






ボルドーからいいリズムでクルマを走らせ、小一時間。
サン=テミリオン。
住民2000人くらいの小さな村。
それはまるで、お伽噺にみた世界のような、中世ヨーロッパの町並み。
本当に、ほんとうに美しい。