Art + Commerce : The Exhibition






Art + Commerce
ニューヨーク、というか、世界の広告写真に関わる人達に、知らない人はいないんじゃないかと思われるビック・エージェンシィ。
アート・アンド・コマースのエキシビション。再開発がプッシュされているハドソンヤードの近くのギャラリィというのも、ホットでヒップなのか、まぁ、ニューヨークぽいというのか?

現役のクリエイター、今はもういないスター・プレイヤー達のアーカイヴ写真、ディジタル・サイネージにムーヴィー、現代ファッション・アドバタイジングの要素をあまねく網羅したディスプレイは、ともすれば散漫さを感じさせてはいるけれど、誰かの個展としてではなく、エージェントのプロモーションに重点を置いたプレゼンテイションとしては、きちんとファンクションしている。
それはメジャー・エージェンシィならではのもの。

もうずいぶん昔のハナシになるけど、このエージェンシィのマネジャーに時間をもらって意見をもらったことがある。
その時のマネジャーのコメントを僕なりに解釈して前に進んだ。
それが良かったのか、そうではないのか、いまになっても自分では判断つかない。
相手をうまくフォローする言葉を最後に添える、いかにもアメリカ人的な話法だったのかも、と思うこともある。
たとえそうだったとしても、当時自分が望んでいた方向とマッチしていたのも事実だった。

そんな過去のイキサツを考えながら、広いギャラリィをゆっくり見て回る。
ファッション/広告に興味のあるヒトなら、あ、これ知ってる、これも。
そんなキラ星のような写真たち。
観に来ているのは、いかにもなファッショニスタにデザイナーらしきヒト達。フォトグラファ、その予備軍らしき学生達。

Glenn O’Brien(2017年の春に鬼籍入。)
エディターであり、オーサーであり、クリエイテヴ・ディレクターだったり。
ニューヨーク・ファッションのオーソリティだった彼のメッセイヂが、このエキシビションを観に来た誰からの目にもとまるように  “ディスプレイ” されていた。
このあたりのセンス、いかにもアート・アンド・コマース的なバランス感覚なんじゃないかな。

Rei Kawakubo / Comme des Garçons Art of the In-Between







THE MET(メトロポリタン・ミュージアム)で開催されていた「Rei Kawakubo / Comme des Garçons Art of the In-Between」を観るためにいってきた。

5月から開催されてたエキシビション。

会場となっている2階のギャラリィは、ほとんどフィナーレといったタイミングだったにもかかわらず、あるいはフィナーレだからこそなのか、たくさんのオーディエンスで埋められていた。

ディスプレイされているそれぞれのデザインとそのユニークさについて、どれほどその本質を理解できるのか、ファッショニスタではない僕には、残念ながら何かを語ることができるほどの深みも厚みも持ちあわせてはいなかった。
ただ麗しく美しかった。

しかし、このこのエキシビションに訪れていた個性豊かなオーディエンスたちの素敵な装いは、氏のデザインとブランドがいかに愛されているのか、鮮やかに語っていたんじゃないかと思う。

“ MY Clothes and the spaces they inhabit are inseparable – they  are one and the same. They convey the same vision, the same message, and he same sense of values.”

このエキシビジョンのために、リーフレットに記載されていた川久保玲氏からのメッセイジ。

the end of the season.

New York Philharmonic / Alan Gilbert Season Finale [A Concert for Unity]

ニューヨーク・フィルの2016-2017 シーズン・ファイナル。
「A Concert For Unity」と題して、いつものニューヨークフィルのメンバー以外に世界中からゲストプレイヤーを招いて、ステージ上はたいへん賑やか。

シーズンを締め括る演出として、演奏の前に音楽監督であるアラン・ギルバート氏の挨拶や、アントニオ・グテーレス国連事務総長からのビデオ・レターが披露されました。

シーズン・ラストに選ばれた曲は、グスタフマーラー「交響曲第7番」
ギターや、マンドリンが楽団の中にいるちょっと変わった5楽章のピース。
もちろんアラン・ギルバート氏が指揮棒振って最後まで一気。

演奏の終わりの余韻を待つ間まもなく、喝采とスタンディング・オベイション。
一度袖に引っ込んだアラン・ギルバート氏はビール?らしき瓶を手に持って再び登場して、楽団員をパート毎にそれぞれ紹介し、最後にこの日集まったオーディエンスに手を振り、笑顔でステージを去って行きました。

アラン・ギルバート氏、母親が日本人のハーフ・ジャパニーズ。
日本人の演奏家も何人かこの楽団にはいます。
他にもアフリカ系や韓国系や中国系、ユダヤ系など種々雑多な人種構成なのは、ダイバーシティーなこの街らしいともいえる?

そして今シーズンをもってアラン・ギルバート氏はニューヨーク・フィルの音楽監督を退くことになっています。

ニューヨーク・フィルハーモニックにとって初めての地元ニューヨーク出身の音楽監督として2009年の就任当時は大きな話題になりました。
個人的にアラン・ギルバート氏が指揮するニューヨーク・フィルを聞くのは今シーズンが最初で最後の一年でもあり、どんなもんかと期待していました。

そんなわけで、この10ヶ月間、サブ・スクライバーとなって毎月ディヴィッド・ゲフィン・ホールにアシを運んだわけです。

で、一年を通してアラン・ギルバート氏の音楽を聴いてきて思ったことは、ロリン・マゼール氏の時代のニューヨーク・フィルの音のほうが好きだったな、ということ。。。

・・・まぁ、それはソレとして、来シーズンの新しい音楽監督が創る新しいニューヨーク・フィルの音を愉しみにしておくことにしよう。