R.I.P.



砧公園の南側にある駐車場にクルマを駐め、公園の中を通り、北側にある美術館へ、のんびり歩いてく。
静かに降る細い雨、吐く息が白く舞う冷たい空気、人影ほとんどない公園。

「奈良原一高のスペイン ー約束の旅」
世田谷美術館の企画展。

ウィークデイの午後、美術館をゆっくりと観てまわる。
パンプローナ、グラナダ、マラガなどスペインを中心とした氏がヨーロッパに滞在していた時期に撮った写真展。
そこは、僕が生まれる以前のスペインだった。

雨の午後、美術館を後に、ふたたび公園を歩く。
人影まばらに彩度をなくした風景、動くものはなにもない。
近くにある東名高速道路のノイズをディフューズするように雨が降っていた。

R.I.P.
この企画展の会期中に亡くなられた、奈良原一高氏のご冥福を祈ろう。

Saint-Émilion






ボルドーからいいリズムでクルマを走らせ、小一時間。
サン=テミリオン。
住民2000人くらいの小さな村。
それはまるで、お伽噺にみた世界のような、中世ヨーロッパの町並み。
本当に、ほんとうに美しい。

Bordeaux








ボルドー市、その中でも市街地は「月の港ボルドー」と呼ばれ、ガロンヌ川の三日月形に湾曲部に発達した都市。

「クレセント・シティー」アメリカ合衆国、ディープサウス、ミシシッピ川沿い、湾曲部にあるルイジアナ州の都市、ニュー・オリンズ。

はじめて暮らした外国の町。

フレンチ・クォーター、カフェデュモンドの甘いあまいベニエ、ガンボー、クローフィッシュ、ケイジャンにクレオール・・・あの町はかつてフレンチ・コロニーだったな。
ゆったりとたゆたう濁った川、その川ベリに大きな広場があって、人々が集っていて、、、ボルドーとニュー・オリンズ、雰囲気はなんとなく似てるかな。