Mt. Mitsu-dake





三ツ岳
横北岳ヒュッテまで降りてきて、一息つく、ふぅ。

ヨユー、ぜんぜんもの足りない。
坪庭からの横北岳までのトレッキングは、厳冬期といえど、それほどハードなものではない、いかにもクランポンに慣れてない雪山ビギナーにとっても。

まだ時間あるな?
で、北横岳ヒュッテから少し降りた分岐から横道に逸れて三ツ岳へ歩いてみることに。
トレースはあるけど、ちょっと外れると簡単にズボズボ踏み抜く。
スノーバスケットを着けたポールで往く道を探りながらに歩を進めることになって、スピードが鈍る。

そして三ツ岳 3峰まで来て、先行者を見つけた。
下から彼女のルートを目で追いつつ、ルートを探す。

チェーンもあるし、最初はそれなりにうまく歩けてた、と思う。
そして、さっき見かけた女性は視界から消えていた・・・

岩の上に立つと、なぜかトレースがない。
風でトレースがかき消されるのかな?

岩は見えている、しかし雪が積もってるところもある。
それは、簡単にアシを運ぶことを躊躇させるには充分だった。
ポールでツツきながら、慎重に岩山を渡っていく。
岩にクランポンをトリップしないように気をつけながら。

慎重に慎重に。
スピードはガクンと落ちる。
ようやく、三ツ岳 1峰までをクリアできた。

そこからもかなりの急斜面を下り、そして登り、雨池山の展望台へ。
なんというか、けっこうハードだった。
雨池峠についた時に見たことのあるサインに、ほんとうにホッとした。

ココって、雪山ビギナーが通るようなルートぢゃないよね?

CITROËN C5 X






CITROËN C5 X
シトロエンにおけるフラッグシップモデル?もしくは一番大きなモデル、そんなC5 Xを300kmほど走らせることができた。

2021年にPSAとFCAがマージしてステランティス・グループになってからシトロエンのクルマに初めて乗った。
サイズ的には所謂 “Dセグメント” といったクルマ。
アピアランスはステーションワゴン・・というのには車高が高いような、SUVと呼ぶのもちょっと違うな。
2022年にリリースされたクラウン・クロスオーバーと同じようなスタイル。
フロア下にバッテリーを敷き詰めるのに都合のいいデザインのように見えるけど、このモデルにはBEVはない。しかしプラグ・イン・ハイブリッドがラインアップされているから、このモデルの企画が立ち上がったときに既にそれ前提でデザインされていたんだろうな。。。

ステランティス・グループのプラットフォーム “EMP2V3” を使うC5 X。
同じステランティス・グループの他のフランス車ブランドであるプジョーには408、DSオートモビルズにはDS4という “EMP2V3” 同じプラットフォームを使ったモデルがある。
そのどちらもが、C5 Xとほぼ同じといっていいプローポーションをしている。
まぁ、今の時代、いろいろな制約があってしようがないんだろうな。

パワートレインはPureTechと自ら呼称する、180PS/250Nmのパワー&トルクを発生する1.6Lの4気筒ガソリン・ターボ・エンジン。1500kg強のボディを走らせるこのフランス車だけど、同じセグメントのドイツ車と較べると、いささか非力に感じる。
確かに速くはないけど、東京都心の流れに乗るのにとりたてて問題ないし、それほどストレスもない。。。
このエンジンにはこれといってドラマもなく、まぁ、フツーっていっていいかな。

数年前、ヨーロッパでシトロエンのクルマを走らせたことがあった。
パリの中心部でピックアップしたそのシトロエンは、なんというかフツーのコンパクト・セダンだった。
日本でいえば、一昔前にあったトヨタのカローラ・セダン、そんなスタンダードな感じ。
いざ、パリの街へアクセラレーターを踏み込みステアリングを切り込むと、大丈夫かこのクルマ?
そんなことを最初に感じた。
ボディに剛性を感じられなくて、ステアリングがダルで、とにかく全体がユルい、なんというか不安で仕方なかった。

ちなみに、クルマをレンタルするとき、僕は可能なかぎり日本やアメリカで乗ることのできないクルマをリクエストすることにしている。

ケオティックなパリ市内を抜け、ル・マン方面へ向かうべくA6へ、そしてA10へと繋ぐ。
高速道路に上がってしばらくは、おっかなびっくりナニもかもがユルいシトロエンを走らせた。
少しずつ速度を上げていくにつれて、シトロエンはヘンな挙動を示すようになっていった。
フランスの高速道路のリミットは時速130km。
パリ市内を流していたときのボディの緩さは遠くに感じるものの、ステアリンとサスペンションの挙動が落ち着いてきて、なんというかスタビリティが上がってピターッと直進安定性が高まってきた。
これうまく説明できないのがなんともだけど、ドイツ車の高速域のオン・ザ・レール感覚のスタビリティとは明らかに違ってる。
うん、でもこれはコレでアリ、気持ちイイ。

シトロエンの代名詞といえば “ハイドロ・ニュー・マチック” でいいだろうか?
諸先輩方がそのシステムを好意的に評価しているのは知ってる。
しかし残念ながら、ソレを装備したクルマに僕は乗ったことがない。
なので、かつてシトロエンが創った、 “魔法の絨毯” と評されたライド感覚とは、それなり、もしくはずいぶん違うのかもしれないけど、僕には判断できない。。。

・・・そんな数年前の記憶と感触を期待して、C5 Xを走らせた。

確かにソフト、柔らかい挙動と乗り心地。
しかし、イメイヂしていたシトロエンぢゃない。

なんというか、ただ柔らかいだけ。
高速に上がってアクセルを深く踏み込んでいくも車速相応にスタビリティが整っていく感覚はあまりない。不安定なフィーリングというわけではないけど、低速走行時のユルい感じのまま、車速が上がっていくだけ、これといったドラマは、ない。
それなら、低速時はどうだろう、交差点、前走車の減速にシンクロさせるようにブレーキ・ペダルを柔らかく踏んでいく、フロントノーズを沈み込ませながら車速が落ちていく。
やがてC5Xは停まる、いくつかのピッチングを残したまま・・・
うーん。。。


100年に一度の激動の時代といわれる自動車業界。
そのウェーヴのなか、新興企業、吸収合併、提携などなど・・・
その結果として、グループ内で共有されるプラットフォームやパワーソース、補機類や電装系、ADAS等の各マテリアルが最大公約数的に共通化されることによって、かつてそれぞれのブランドが持っていたキャラクターが薄まってしまうのは必然なのだろうな。

Mt. Kita-yoko-dake






北横岳、関東在住の雪山初心者が最初に歩く山。
そんな感じで紹介される山。

雪山シーズンに入って何度か山に入っているんだけど、天気予報に反してブリザードだったり、ガスだったりで、毎回キビしいコンディション。

あぁ、晴れた雪山を歩きたいな・・・

そんな時は、ココだ、北横岳。
天気予報とライブカメラの情報から、うん大丈夫。

北八ヶ岳ロープウエイでワープして、いきなり標高2237メートルの坪庭へ。
チェーン・スパイクを装着してスタート。
冷たい大気、ゆっくり歩きながら高度を上げていく、できるだけ汗をかかないように。
北横岳ヒュツテのベンチに腰かけてモンベルのサーモボトルに入れてきたコーヒーでホッとひといき、クランポンに履きかえて、ピークへの急登へ。

たどり着いたピーク、そーだろうと思ってはいたけど、暴風。
南峰、そして北峰、キーンと冷たい大気、凍えるほどキモチイイ。
この空気、この美しき風景。

暴風から逃れ、来た道を戻っていく途中、なぜか「瑠璃色の地球」という曲がアタマのなかでグルグル回ってた。