Art + Commerce : The Exhibition






Art + Commerce
ニューヨーク、というか、世界の広告写真に関わる人達に、知らない人はいないんじゃないかと思われるビック・エージェンシィ。
アート・アンド・コマースのエキシビション。再開発がプッシュされているハドソンヤードの近くのギャラリィというのも、ホットでヒップなのか、まぁ、ニューヨークぽいというのか?

現役のクリエイター、今はもういないスター・プレイヤー達のアーカイヴ写真、ディジタル・サイネージにムーヴィー、現代ファッション・アドバタイジングの要素をあまねく網羅したディスプレイは、ともすれば散漫さを感じさせてはいるけれど、誰かの個展としてではなく、エージェントのプロモーションに重点を置いたプレゼンテイションとしては、きちんとファンクションしている。
それはメジャー・エージェンシィならではのもの。

もうずいぶん昔のハナシになるけど、このエージェンシィのマネジャーに時間をもらって意見をもらったことがある。
その時のマネジャーのコメントを僕なりに解釈して前に進んだ。
それが良かったのか、そうではないのか、いまになっても自分では判断つかない。
相手をうまくフォローする言葉を最後に添える、いかにもアメリカ人的な話法だったのかも、と思うこともある。
たとえそうだったとしても、当時自分が望んでいた方向とマッチしていたのも事実だった。

そんな過去のイキサツを考えながら、広いギャラリィをゆっくり見て回る。
ファッション/広告に興味のあるヒトなら、あ、これ知ってる、これも。
そんなキラ星のような写真たち。
観に来ているのは、いかにもなファッショニスタにデザイナーらしきヒト達。フォトグラファ、その予備軍らしき学生達。

Glenn O’Brien(2017年の春に鬼籍入。)
エディターであり、オーサーであり、クリエイテヴ・ディレクターだったり。
ニューヨーク・ファッションのオーソリティだった彼のメッセイヂが、このエキシビションを観に来た誰からの目にもとまるように  “ディスプレイ” されていた。
このあたりのセンス、いかにもアート・アンド・コマース的なバランス感覚なんじゃないかな。

The Table of Silence Project 9/11

9月11日の朝、リンカーン・センター、Josei Robertson Plaza。
こんな時間にココを訪れるのは、たぶんはじめて、かな。
広場を取り囲むように、観衆が集まってくる。
オフィスに向かう途中のように、日課の散歩の帰りのように、この街に観光に来ている旅人のように。

新しい朝の日射しが広場に降り注ぐ午前8時過ぎ、ホラ貝の音のようなものを合図に白い装束に身を包んだダンサー達が広場の中央、噴水を目指すようにすように集まってきた。

噴水を囲み、離れ、近づき、周り、ひろがる。
白い装束の背中のポケットから、白い皿を取り出し、胸に抱え、天に捧げる。

平和を祈念するダンス。

あの日の朝、飛行機がツインタワーに突入した時刻、銅鑼の音を合図にしばしの沈黙。

静寂に満たされる広場。

ダンサー達はしずしずと退場していき、最後に銅鑼と鐘の音を残し、パフォーマンスは幕を閉じた。

群舞は美しい。
広場はとても美しい。

Tribute in Light 2017

    

9月11日、あのインシデントから16年という時間が流れた。
今年の空は、あの日の “クリスタル・ブルー” とは違って、少しもやがかかったような湿度の高いヘイジーな空。

メキシコ湾から北上して、フロリダ半島に上陸した大型ハリケーン・イルマ。
遠く離れたここニューヨークにも影響しているのでしょう。
今シーズンはハリケーンがとにかく強力みたい。
8月末、ハリケーン・ハーヴィーはメキシコ湾からテキサス州南部に上陸し甚大な被害をもたらした。
この二つのハリケーンによる被害報道が大きなウエイトを占めていたけど、それでも例年と同じように慰霊式典が執り行われた、そうニュースが伝えていた。

くすんだ青空は、やがて瑠璃色へ、そして夜へ。。

旧ワールド・トレード・センターのツインタワー跡地に出来た9.11メモリアル。
初めて訪れた。