Never just drive.







IONIQ 5 N Track day by HYUNDAI
Hyundaiのパフォーマンス・ブランド “N” そのBEV、IONIQ 5のハイパフォーマンス・ヴァージョン、IONIQ 5 Nの日本導入のプレ・イベントとして開催された “IONIQ 5 N Track day by HYUNDAI” に招待していただいた。

よく晴れた金曜日の午後、首都高速道路のいつもの渋滞を抜け東京湾の下を抜け、対岸の袖ケ浦へ。
これくらいの距離に気軽に走ることができるサーキットがあるって、とてもステキなことだと思う。

袖ケ浦フォレストレースウエイの北ゲートから入りトンネルをくぐるとそこはもうサーキット・パドック。
指示に従いクルマを駐め、促されるまま研修棟ガレージに入ると、そこはHyundaiがリリースする新しいクルマのために設えられた世界だった。

Hyundai、IONIQ 5、そして “N” のブリィーフィングをひとしきり受け、さぁ、サーキット・エクスペリエンスへ。
先ずは、パドックに水を撒き低ミュー路に仕立て上げられたスペースでのドリフト体験と実践。
ヘルメットとグローヴ、そしてドライヴィング・シューズを装着して、ロールケイジが組まれたドリフト仕様?の “IONIQ 5 N” へエスコートされサイドシートに収まる。
デモンストレイター氏と短い挨拶を交わすと、彼は一気にスロットルを 踏み込んだ。
このスペシャルな個体が、どれほどの軽量化を施されているのか聞き忘れたのが残念だけど、そのスタートダッシュはちょっとした事件だった。

そしてスタンダード仕様? IONIQ 5 N へ乗り換え今度は自分でステアリングを握り、低ミュー路でのローンチコントロールを効かせてのフルスロットルからのフル・ブレーキング、パイロンを使ったドリフト・コントロール。
おぉッ? これはちょっと驚いた。
これまでこの手のイヴェントにいくつか参加させていただいた経験もあり、冬の女神湖での氷上ドリフト練習だったりと、自分のクルマだったり、いくつかのメーカーのハイパフォーマンス・モデルで低ミュー路でのドリフト体験をしてきたけど、この IONIQ 5 N はそれらどのクルマよりドリフトがしやすく、そしてコントロールしやすいクルマだった。
僕がステアリングを握ったのは、スタンダード、つまり市販バージョンの IONIQ 5 N、先述のサイドブレーキがついたドリフト仕様のスペシャル・バージョンではない。

で、何に驚いたといえば、ドリフトさせた時の IONIQ 5 N の穏やかなコントロール特性。それは650馬力 / 740Nmnそして2200kgオーバーの車重から受けるイメージからすると拍子抜けするくらいフレンドリィに操縦できる。
実際に走らせているときからなんとなく感じていたことだけど、これって、もしかして、EVだからなのか?
きっとそうだ、これはEVならではの操縦性なんだ、と今になってハッキリと思う。
レシプロエンジンのように、回転数を上げるにしたがってプログレッシヴに立ち上がるパワーとトルクとは違う、アクセルを踏んだ瞬間にラグなくリニアに立ち上がるパワーとトルク、それはドリフトに持ち込む時も、一瞬にしてスライド状態に移行できる。しかしそれ以上に肝心なのは、スライドしているときのコントロール。これがレシプロエンジンだとエンジンの回転数の増減によってトルクが変わってくるから、一定の状態でスライドさせるのって結構ムツカシイ。
それがEVだといつでも一定のパワーとトルクをリニアに呼び出せるから、エンジンの回転数とか過給器の効き具合とか、ギアポジションとか考える必要がなく、アクセルとステアリングだけに意識を集中することができることになる。
つまり、レシプロエンジンだと、いくつもの要素を常に考えながら(もしくは無意識にアジャストしながら)ステアリングとアクセルを操作しないとならいけど、それがEVだとステアリングとアクセルのことだけ考えればいいから、そのぶん余裕が生まれる、もしくはその処理能力の余裕を他ごと、たとえば周囲を見わたしたり、次のパイロンへのアプローチを考えたりとかに使うことができる。
それはドライヴァーへのストレスを減少させ、リラックスきることによりリスクを少なくでき、より安全性が上がると。

もちろん、 IONIQ 5 N のサスペンションとかディファレンシャルのセッティングがとか、メカニカルと電子制御系のチューニングが優れているということもあるんだろうけど。。。

EVならではのアドヴァンテイジ。
これずいぶん前にテスラのモデルSを初めてドライヴした時にも感じた。
エキゾーストノートのない暴力的な加速とトルク感、慣れは必要だろうけどワンペダルで出し入れできるスピード・コントロール。
これが、このプライスで実現できるなんて、スゴいことなんじゃないか?

レシプロエンジンの時代はそのうち終わるんだろうな、当時そう感じた。
今回走らせた IONIQ 5 N の膨大な電子制御によるコントローラブルな特性と動的質感、これってEVならではなんだろうな、と。。。

SCARPA MONT BLANC PRO GTX






SCARPA MONT BLANC PRO GTX
新しいトレッキング・シューズがやってきた。
冬山用のモノ。

今さらながら登山用のシューズって、なかなかムツカシイ。
アシにフィットしてるかどうかとは別にそれぞれのブランドのイメイヂやデザイン、サイズ感、特にこういったテクニカル・ウエアの場合、それが持つスキルアップへの可能性等など、長く使うものだから、いろいろチョイスするためのポイントってあるのかな、と思う。

イロイロ履いてみた、登山ショップで。
実際のところ、どうチョイスすればいいのかわからなかった。
気になるいくつかのシューズ、在庫のあるもののなかから、それぞれ2サイズ出してもらって、試し履きしてみる。
うーん、それぞれに微妙に違った特徴があって、これだ!って決め手がナイ。
店員さんは特定のブランドをことさら勧めようとはしない。
同じようにシューズを試し履きしていた山慣れた感じの女性が、僕の足元をみて「ザ・スポルティバ、って感じ!」 とどちらかいえば好意的にコメントしてくれた。
そう、 スポルティバのシューズかな、と思っていたりはしたんだよね、夏靴もエクイリビウムだし。
でも、ソレもどうだろう、と生来のアマノジャクなセーカクがでたというのか、今回はスカルパのこのシューズをチョイスした。
クランポン装着を前提としているためか全体的に剛性感が高く堅い、お約束のヴィブラム製アウトソールに、ゴテックスのアッパーといった、ザ・定番!なコンビネイション。
しかし、対照的に驚くほどフレキシブルに動く足首のホールド、なんだろこのフィーリング?
まぁ、こっちもイタリアン・ブランドだし、そんなに変わんないでしょ?

オレンヂなスエードとブラックのコントラスト・カラーはシックというほどでないけど、まぁ、ビジーではないとはいえるかな。
LA SPORTIVAとは違ったフィット感、それがどういった効果と結果をもたらすのか、実際のフィールドで履いてみたいって思った。
雪よ降れ、積もれ。

Turbo blue.







Audi TT Roadster 45 TFSI quattro
“ターボブルー” この鮮やかな空と海を映した彩りがなんともステキ。

アウディ = “TT” だった、アイコンだった、僕にとって。

TTシリーズ、その3世代に渡るコンパクト・クーペの歴史に幕が降ろされる。
1998年に登場した初代 “8N” は、それはそれはインパクトだった。
この初代TTクーペをみて “アウディ” というブランドを好きになった。

初代 “8N” には乗ったことがないけれど、2代目 “8T” 、3代目 “8S” はTTSやTT-RSも含めてそれぞれ何度かドライヴしたことがある。
その度に “TT” を自分の乗るクルマにしようとした。
しかし、当時のライフスタイルは、それなりにカーゴスペースが必要で、しかもそれは外せない要素で、なかなかTT購入へ踏み出せずにきた。
そして歳月が流れ、状況も変わり、そろそろコンパクト・クーペに乗ってもいいかと考えるようになった。
だが、しかしアウディはTTシリーズの廃止を決定したみたい。

3代目のTTである “8S” は “TT” ではあるけれど、その始祖である “8N” が唯一無二のオリジンだったものから、アウディ・スポーツのフラッグシップである “R8” との類似性を持たせようとしているように感じる。
例えば、フロン周りのデザインがTTの特徴であった丸みを帯びたモノから、R8のような低くシャープなデザインになっていたり、アウディの “FourRings” エンブレムがフロントグリルではなく、ボンネットフードにセットされていたり・・・
それまではアウディのラインナップのなかで、ボンネットフードに “FourRings” エンブレムがあるのはR8だけだったハズ。
つまり、アウディは、“TT” という類い稀なるオリジナルを、ブランディング上の理由か何かで、スーパーカーである “R8” との共通性を持たせ、よりプレミアム性を高めようとしたかったんだろうか。

もちろん、これはまぁ、ただのインファレンスでしかないのだけど・・・

そうだとすれば、ソレは間違いなく、マチガイだった、そう思う。
アウディは “TT” をオリジナルとして、TTシリーズだけのブランドを大切に育むべきだったんじゃないかと思う。例えシャシーがA3や、フォルクスワーゲン Golf と同じMQBになって、その独立性が薄らいだとしても、それでも “TT” はその類い稀なるオリジナルなデザインを持ち、それのみによってその存在を赦された存在なのだから。
決して、ポルシェ 718ケイマン/ボクスターをライバルに見立てる必要なんてないし、そこまでのスペックも必要ないし、“TT” はただ “TT” (プライスも含めて)であればよかったんじゃないか、そう思う。

ターボブルー。
いままでアウディのweb-siteでみたときも、ディーラーで現車をみたときも、それほど気に留めることもなかった。
しかし、初夏の空の下でこのカラーを走らせてみると、それはとても素的だった。
空と海の狭間のの世界、現実の色彩と少し違ったポップに映えるブルー。
このクルマならではのフィーリングと雰囲気があって、とてもご機嫌に走らせることができた。

・・・クロノスグレーの車体にブラックスタイリングパッケージを纏った662,762台目のTTS、その個体が25年に渡るTTシリーズ最後のモデルとしてハンガリィの工場でロールオフされた、そうAudi AG.より公式にアナウンスされた。