Psychedelic Hip






KEEN UNEEK / ORIGINAL TIE DYE/BIRCH
夏のサンダルを買った。
あまりにも暑くて。
KEENの定番、ユニーク。
ORIGINAL TIE DYE/BIRCHというモデル。

最初は夏らしいホワイトとか、ベージュあたりの明るい色、爽やかな感じで履けていいかな、と考えてた。
だがしかし、この蒸発してしまいそうな夏にアタマがやられてしまったのか、買ってしまったのは、なんかすんごいカラー。
なに?サイケでヒップで、レインボウカラーっていうの?

吉川晃司の楽曲で「サイケデリックHIP」っていうのがある。
それは彼がリリースしたオリジナル・アルバムとしては4枚目になる「MODERN TIME」に収録されていたナンバーで、彼自身が作詞作曲したピースだった。
それまでの3枚のアルバムは、いかにもアイドル然としてた当時のJポップって感じだったけど、この4枚目の「MODERN TIME」から “吉川晃司” そのものが色濃く表れてくるようになったな、と思ってる。
1枚目のアルバム「パラシュートが落ちた夏」はいかにも当時のアイドルチックな体裁でリリースされ、2枚目のアルバム「LA VIE EN ROSE」は角松敏生的とでもいうのかな、シティ・ポップな雰囲気を纏った夏っぽいサウンドだったし、それも好きだだったけど。
3枚目のアルバム「INNOCENT SKY」は、当時のアイドルとは明らかに違ったベクトルで音楽を指向したミュージシャンとしての “吉川晃司” が現れてきていて、いまでも好きな一枚。
少年時代の僕に、彼は、なんというか、憧れのヒーローだった。

その後にリリースされた「SATISFACTION FAKE」というリミックスアルバムに、ダンスチューンにアレンジされた「Psychedelic Hip」が収録されていて、これもクールな1ピースだったな。

先日東京ドームで開催された、布袋寅泰とのユニットである “COMPLEX” としての名義で能登半島地震の復興支援チャリティー・コンサート「日本一心」で、彼と布袋寅泰を久しぶりに観た。
カッコよかった。
いまでも、あの頃のようにグッドシェイプで、吉川(あえて呼び捨て!)はいまもキッカワのままで、やっぱりカッコよかった。

しかし、あらためてながめてみても、このサイケでヒップなサンダル・・・テイストぢゃないなー。。。
どうしてこんなの買ったんだろ?
ぜんぶこの夏の暑さのセイ、そうに違いない、間違いない!

Audi A7 Sportback 40TDI quattro






Audi A7 Sportback 40TDI quattro
アウディにおけるEセグメントのスペシャリティ、4ドア(5ドア)クーペ。
同じアウディのDセグメントであるA5シリーズは、2ドア、4ドア(5ドア)、カブリオレ(オープントップ)とバリエイションがあるのに、A7は4ドア(5ドア)クーペのみ。とはいっても専用設計というわけではなく、ベースになるのは同じEセグメントのA6シリーズと、エクステリア以外のほとんど全てを共有してる。
このあたりが、他のジャーマン・ブランドのラインナップと較べると、アウディの弱いところかな。
まぁ、Eセグメント以上のクラスになるとカンパニーカーとしての定番のセダンと今どきのSUV以外は、どこもそれなりに苦労しているようにみえるし、そのなかではメルセデス・ベンツがリードしているのだろうけど、BMWはもとよりAudiはなかなか苦労してるんじゃないだろうか。

何はともあれ、A7 Sportback 40TDI quattroを3日間ほど、350km程度の距離を走らせる機会を得た。
どうやら、日本に導入されている最も廉価なモデルらしい。
シャシーはおなじみ “MLB Evo” 、ギアボックスこれもおなじみ7速 “S-tronic(Dual Clutch Transmission – DCT)” 、エンジンは以前走らせたAudi A5 Sportback 35 TDI advancedと同じ2リットル・ターボ・ディーゼル。
ただしスペックは車体の大きさというか重さに配慮してか、それなりにパワーアップしてる。
とはいっても、204PS / 40.8kgmのパワー&トルクなので、1850kgの車重をドライヴするには非力といってもいいかも。

走らせてみると、そのスペックどおりといえばいいのか、全体的にマッタリなフィール。
僕にとってのアウディのリファレンスはB8世代のA5 sportback 2.0 TFSI quattro。
それは単純に最初に所有したアウディであり、6年あまり歳月を共にした相棒だったから。
これが、340PS / 51.0kgmを発生させる3リッターV6エンジンを積んだ55 TFSI quattroだったら、また違った印象になったかもしれない・・・

Eセグメントというクラスなりに求められるフィールってある。
それはアウディに限らず、メルセデス・ベンツやBMWでも同じことだと思う。
つまり、Eセグメント以上のモデルは所謂高級車のカテゴリィとして扱われているような気がする。
高級車って何?って聞かれると、ちょっと口ごもってしまうけど、まぁ、平たく言えば、自分(ドライヴァー)以外を乗せて、というか、リアシートの居住性にも快適性にウエイトを置いているかどうか、そういうことかな。

つまりショーファー・ドリヴンとしてのクルマの存在ということではないかと。
もし、そうであるとしたら、このA7 Sportbackをはじめ、メルセデス・ベンツ CSLやBMW 8シリーズといった4ドア(5ドア)のクーペスタイルのボディを纏ったクルマの存在理由ってナニ?
メルセデス・ベンツ Eクラス、Sクラス・クーペ、BMW8シリーズ・クーペやレクサス LC、もっといえば、ベントレイ・コンチネンタルGTといった、Eセグメント以上の大型2ドア・クーペは、実用域の向こうにある、なんというかムダ・・・というか、ラグジャリィーだよね、というのがそのアピアランスを持って、あぁ、これってフツーに家族で乗るクルマじゃないよね、って万人に理解できるんじゃないかと思う。

しかし、このA7 Sportbackという、中途半端なサイズのクーペ・ルックのしかも4ドア(5ドア)とかって、どこか実用性を求めているにもかかわらず、ラグジャリィでしょ?的なクルマの立ち位置って、どうなんだろ?
アメリカ的な “プロムナード・カー” でもなく、伝統的なクーペでもない。
スタイリッシュもしくはスリークなクルマが好きだけど、家族や荷物を乗せなきゃならないし、でもいろいろな制約があって、1台のクルマで賄わなければならない、なんというか中途半端なクラスタに向けたクルマという解釈でいいのかな?

個人的には、2ドアでなく動力性能が同じか劣るなら、Eセグメントである必然性はなく、Dセグメント、つまりA5 Sportbackでイイかなと。
Eセグメント以上は、高級車のカテゴリィに属するとすれば、4ドア・セダンやワゴンといったショーファードリヴンとしての実用性、もしくは2ドア・クーペないしカブリオレといったラグジャリィな方向性がこのクラス以上のクルマのレゾンデトールじゃないかな。
かなり偏った考え方かもしれないけどね。

それでも、ファストバック・スタイルのルーフラインはエレガントで麗しい。

Hyundai IONIQ 5 N





HYUNDAI IONIQ 5 N
そしてコマーシャルモデル?の IONIQ 5 N を使ってのサーキット走行体験。
一度に走るのは、5台、そのうちフロントローの一台はインストラクターが操るペースカー。
つまり好き勝手に走ってイイ、ということではないということ。

“ソウルトロニックオレンジパール” と呼称されるスカーレット色の一台が僕にはアサインされた。
サイドシートには先ほどとは違うインストラクター氏が乗り込み、このクルマの特徴や各スイッチの使い方をサラッとレクチャーしてくれる。
BMWのiDrive 8シリーズと同じようなタブレットを2枚並べたようなワイドなスクリーンがフロントに設置されているが、はっきりいって機能が多すぎて何がなんだか・・・
でも、すべての操作がタッチディスプレイ操作しないとならないわけではなく、エアコン等の基本操作部分は独立していて日常的な操作性はそれなりに考慮されているようにみえる。
BMWのiDrive 8ときたら・・・

Hyundai IONIQ 5 NのベースになっているICONIC 5のデザインは少しファミリィカー的なファンシーさを感じさせるけど、IONIQ 5 Nはそこから大きく変化させ、いかにもパフォーマンス・カーだということをそのアピアランス、うまくスポーツ性をアピールすることに成功しているように感じる。
とてもデザイン性が高い、と個人的には思うかな。
Nマークがセンターにフィチャーれたステアリングホイール、Nモデル専用のシートやステッチ、ボタン類がオリジナルのICONIC 5とは結構違っているんだそうだ。
そういえば、ボディカラーだけではなく、エクステリアでも、Nマークの立体的な装飾やホイールのセンター・キャップ、ディフューザーにウイングレットなどなど、エクステリアがパフォーマンスカーとしてキチンとデザインされていて、その細かなコダワリはAMG、BMW M やAudi Sports、はたまたLEXUS Fあたりのパフォーマンス・モデルよりよほどコダワっている感じ。
いささかトゥー・マッチなような気もするけど、スペシャルなモデルとしての主張は充分発揮されてる。


で、ステアリングを握って、ピットロードからレーストラックへアクセルを踏み込む。
なんの変哲もなく、といえばアレだけど、特別にナーヴァスなアクションもなく、フツーに、というか、その強大なトルク&パワーなりに一気に加速していく。
EVなので、本来はエンジンやエクゾーストなどのノイズはないはずなんだけど、車内には盛大なエクゾースト・ノートが響きわたる。
これは車内に設えられたレゾネータから発せられるらしい、そしてそのノイズはハイチューンの4気筒エンジンを模して作られたサウンドチューンだとブリーフィングの時にいってたっけ・・・


IONIQ 5 N をレーストラックで走らせてみ、これといったドラマもカタストロフィもなかった。
こう書くと、ものすごくツマらなかったように聞こえるかもしれないので補足しておけば、極めてフツーに走らせることができた。
650馬力 / 740Nmnという出力を備えたクルマであるにも関わらず。
それって、スゴいことなんじゃないかと思うんだけど、どうだろうか?
レシプロ・エンジンのクルマで、これくらいのトルク&パワーがあるクルマをフツーに走らせることができるのだろうか?
そのパフォーマンスを持つレシプロ・エンジンを積んだクルマをドライヴしたことがあまりないので、どっちがどうと、ジャッジできるほど経験がナイのがなんとも。。。

まぁ、なんにせよ、フツーにDセグメントあたりのSUVを走らせるようにレーストラックを走らせることができた、そういうこと。
BMWでいえば、M一桁モデル(M3とかM4)のようなスパルタンさはなく(とはいっても、現行G世代のMはどれもそれなりに日常使いできそうなほどフレンドリィになってはいるけど。)、Mパフォーマンスモデル(M340iとかM440i)くらいのフレンドリーさで、650馬力を愉しめる感じといえば、なんとなく伝わる?
この表現、同乗して下さったインストラクター氏も、うんうんと笑いながら同意してくれたんだが。

これには、IONIQ 5 N が履いていたピレリーのP ZEROの特性によるところも大きいのだろう。
ドリフト体験の時にも感じていたのだけど、レーシング・アスファルト上においてタイヤの剛性と限界グリップが高い感じではなく、どちらかといえば柔らかく、なだらかにグリップの限界を越えていく感覚で、滑り出しがダルでコントロールしやすく、それが安心感に繋がっているような気がする。
この僕のコメントに対し、インストラクター氏も、限界グリップそのものよりも、限界を超えたときのコントロール性にフォーカスしてこのクルマとタイヤをセッティングしてある、と説明してくれた。
なるほど・・・

EVならではのリニアな加速と強力な減速、細かな電子制御による車体コントロール、動的バランスにおいて、レシプロ・エンジンのクルマではもはや到達できない領域なんじゃないだろうか。

・・・まぁ、それが好きかどうかは別にして・・・

キレイに晴れた5月の空の下、クローズドコースで気兼ねなくクルマを走らせる。
こんな楽しいことはなかなかない。

いいイベント、いいクルマでした。